住宅金融 2008 5 18
書名 サブプライム問題の正しい考え方
著者 倉橋 透 小林 正宏 中央公論新社
サブプライム問題については、
まだ、あまり時間も経過していないせいか、
一方で、センセーショナルな議論もあれば、
一方で、金融技術的な議論もあるというところでしょうか。
この本は、サブプライム問題を冷静に観察し、
同時に、住宅金融(住宅ローン)のあり方を問うものです。
この本によると、「フレディマックの調査によれば、
プライムローンの顧客の7割が、(金利は)30年固定を選択しているのに対し、
サブプライムローンの顧客では、30年固定を選択したのは、1割に満たないことからも、
金融知識の向上が、いかに重要であるかが、うかがわれる。
消費者がリスクの高い商品(変動金利)を選択した一つの理由として、
将来、返済額が増えるという、これらの特殊な住宅ローン商品の特性を、
十分理解していなかったことが考えられる」という。
日本には、サブプライムローンというものは存在しません。
基本的に、住宅ローンに関して、そういう分野というか、そういう金融商品はありません。
しかし、住宅ローンの勧誘に関して、似たような問題があったと思います。
バブル 2006 6 28
いつか、バブルが、はじけるかもしれません。
それは、住宅バブルのことです。
新聞のチラシに入ってくる「マイホームのチラシ」。
たとえば、でかでかと、「月々8万円台から」と書いてあります。
「これならば、毎月、アパート代を払うよりも、
マイホームを買った方がよい」と、多くの人が思うでしょう。
しかし、非常に小さな字で、こんなことが書いてあります。
「ただし、35年ローンで、変動金利」。
40歳で、35年ローンを組んで、マイホームを買ったとすると、
75歳まで、住宅ローンを払い続けることになります。
「退職金で、残りのローンを払えばいい」と考えても、
今は、退職するまで会社が存続するか不透明と言える「不確実性の時代」です。
仮に、退職金が出たとしても、今の年金制度には、不安を感じます。
だから、「老後の安心のために、退職金は使わないで、
貯金をした方がよい」と言う経済評論家もいます。
さらに、変動金利で借りたとすると、後が大変です。
現在の金利は、歴史的な低金利の状態と言えます。
さて、私が20代の頃、飲み歩いていると、
年配の上司に、よく怒られました。
「将来、マイホームが欲しいならば、飲み歩いていて、いいのか。
頭金2割、用意しないと、銀行は、お金を貸してくれないぞ。
しかも、60歳までに払い終わる資金計画でないと、相手にされないぞ」。
こんな忠告を、数多くの上司から聞かされました。
最近は、「今さえ楽しければ、いい」という刹那主義の時代となりました。
「金さえ儲かれば、何をやってもいい」と「今さえ楽しければ、いいんだ」。
それが、みんなの気持ちなのか。
そうだとすると、今の日本人は、別の人種(民族)に移り変わってしまったようだ。
「刹那主義」
過去や将来を考えず、ただ、この瞬間を充実すれば足りるとする考え方(広辞苑)。